2011年10月16日

乙武さんの講演

乙武さんの講演
10/14.15で全附連PTA研修会全国大会に東京行ってきました。
全附連も今年が最後のお手伝いとなり、今までにも私なりに感謝することが多々ある中で今回の講演はとても記憶に残るものとなりました。

2011/10/15 乙武洋匡氏の講演 「子どもたちのためにできること」

研修会中、私は今回も広報のお手伝いをさせていただきました、この日の最初の仕事は乙武さんのステージへの登壇のお手伝い。
ハイアットリージェンシー東京のセンチュリールームのステージはバリアフリーではなく、乙武さんの電動車椅子をスタッフ数人で持ち上げました。
おかげで、乙武さんと数センチの距離にて数分の時間を共有できました。
初めてお会いした乙武さんは 小さな体、そしてどことなく不安げな、それでいて講演に入る前の自己の気持ちを整えつつある少し緊張をした面持ちでした。

その後、私は裏方から会場の聴衆者席に小走りに移動し、開演を待ちます。
公演中の撮影は厳禁、ということでしたので講演時の画像は撮れません、だから、しっかりと自分の目で観て耳で聴かなければなりません。
満席の会場の皆様も私と同じような集中力で演台を観ていたことと思います。

そして開演。
乙武さん、笑顔で一言。
「皆さん、私の今日の講演の中身、一般的な事しかしゃべりません。為になる内容は私の後の講演の藤原さんにお任せしますのでそのようにご承知ください」
会場内、和やかな温かい反応。
そして、簡単な自己経歴の説明、小学校の教師として3年間の場面説明をにこやかに話されました。
次に乙武さんの出生時のお母様の話、この辺は少し目が潤っとくるところでした。
お母様は障がいをもって生まれた我が子を「とても可愛い」と大きな笑顔で抱きかかえてくれたそうです。
当たり前といえば当たり前のことなのでしょうが、その場面が私だったらどうかな、ってみなさん考えた事でしょう。
そのとき一瞬、私は以前、特別支援学校の保護者の方とお酒を飲んで話しをしたときの事を思い出しました。
私と同年のこの父さんがこんなような事を話してくれました。
「うちの子が障がいを持って生まれたことを有り難く思う時がある」
「というか、そのお陰で親としての愛情をフルに向けていられるんだよね。この子には私が絶対必要で、いつも愛していなきゃいけないのだし、他人にはばかる事も無く親子の距離を最短にしてあげられる。それでいて我が子も親をストレートに慕ってくれるのだからね、幸せだよ」
「障がいのない子どもの親たちはここまでの素直な肯定感って味わえるだろうか?」

この言葉を聞いたとき私はすこし驚いた。というか自分の認識がいろんな意味で足りないことに気がついた。
障がいを持って生まれるということは確かにある意味不便なのかもしれない、しかしそれは決して不幸なんかではない、人の幸せに こうじゃなきゃいけない、なんて法則はないのだ。

もう一つその方が言っていた。
「たまに、〇〇さん、お子さんが障がい者で大変ですね、なんて言われるのだけど、私からすると、「どこが?」なんだよね」
聴いていると「確かにそうだよねー」って思った。
そして、「じゃぁ、私は実際、障がいを持っている方にどう接しているのか?」って心の中で自問した。
思い起こせば 私はずっと普通に接している、助けが必要であればお手伝いするし、この対応はお年寄りに対してもそうだし、健常といわれている人たちでも同じことである。
これは間違った対応なのだろうか?
この場面の私の感覚は自分がその立場だったら、と考える。1分で登れる階段を20分かかるかもしれない、しかし20分かかって自分で登りたい、そうその立場になった自分は考えるだろう。
やはり、いろんな部分で未熟者の私だからこのような判断なのだろう。
だけれども私は障がい者の方の目を見る、瞳を観る、するとある程度は助けを必要としているのか、そうでないかは解る。それが私の今のところの見解。

乙武さんの話に戻る。
彼は自身の親から、自己肯定感をもらった、という。
それは愛情という形で注がれた、という。

なるほど。
私は自分の子どもたちに自己肯定感を与えているのか? 
正直少し不安を感じる、自信がない。
希望を押し付けていないか?
この点も不安。

そのあとの話の中で、乙武さんはこの自己肯定感を子どもたちに発信を始めているようでした。
彼は誰が観てもピュアです、だから子どもたちと難なく通じることが出来るのだろう。
同時に親たちにも なにかを訴えかけている、幸せ、愛情、そして生きること。

大体こんなところかな、15日の乙武さんの講演を聴いて思った事。
相変わらず文章力が無い自分が情けないのだけれども、何か書いておかねばね。
正直、乙武さんは私が勝手に予想していた「カリスマ」とかではなく、どちらかというと身近な大人の方、という印象でした。
勿論、彼は他人には言わないいろんなハンディを乗り越え、そのなかで生活を続けている、という事実はまぎれも無いことであり、尊敬に値することなのは言うまでもないことです。
講演を聴かせて頂いた事、とても感謝しております。
ありがとうございました。



Posted by sakapa at 04:04│Comments(1)
この記事へのコメント
不便だけと不幸じゃない。
納得です。

義理の母がいつも「○○さんは不幸だよね…」って話すんです。
ずっと「不幸」ってなんかおかしいって思ってて。
でもその思いをどう伝えたらいいかわからずただ相槌ばかりしてました。

不便っていうのがしっくりきました。
今度、不便だなぁとは思うけど不幸だとは思わないです…って話してみます。

お義母さんと話すのにちょっと疲れてて、でも気持ちが軽くなりました。
ありがとうございました(^-^)
Posted by hayuki at 2011年10月16日 05:01
 
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