起業前6 -開拓2-

sakapa

2009年05月17日 05:19

「知らない」 と言う武器。
「知っている」 という人と 「知らない」 と言う人、好奇心という尺度で比較すれば 「知らない」と言う人の方が強いのではないだろうか。

あの頃はそんな武器をひっさげて、新規飛び込み営業で取引先開拓をする毎日でした。
代官山「メイフェア」「ファースト」 渋谷「Mrポストマン」 銀座「サンバード」と次々、飛び込み営業→受注と展開していきました、
売り上げ?
結構、順調だったですね、1週間で100万ちょっと っていうペースでした。
マージンが30%ですので動き始めて2週間で50万以上の報酬が確定していました、しかし これは丁度季節の変わり目ということもあり、タイムリーに進んだだけであって毎月このように進行していくとは 流石の私でも思っていませんでした。
ただ、まだ銀座の伊東屋さんは顔は出せども 取引口座は開設出来ず という状況であります。
伊東屋さんに関して言えば時間は無駄には過ぎていません、自分の中にあるイメージが湧いてきていました。
今現在は私の取り扱い範囲の商品には無いのだけれども、こんな商品があれば注文がもらえる確率が高いのでは、って
「つまり、既存の仕入れ先のアイテムには無い新たな商品を自分で創ればよい、ということか?」
なんて思ってみて、
「現実問題、創る って言ったって資金なんて無いしな」
ま、当面は心の中に温めて置くしかないのでした。

そんなこんなで5月の連休が終わり、小売店の発注もピタッと止まりました。
雑貨は7月ぐらいまであまり商品が動かなくなる時期に入ります、営業代行も開店休業状態、4月の手数料70万程で数ヶ月は食いつながなくてはいけないのです、もちろんこの頃の私にとってはこの金額は十分な手元資金でして、毎週、千葉まで波乗りに行っては海に浮かんで今後の展開を検討していたのでした。
4月のこれらの売り上げには1つリスクがありました、サマーカードという季節性のある商品の納品であったため、8月に売れ残りの返品を頂く約束をお店側としていたのです、返品、つまりマイナスの売り上げ、ということになりますのでそのパーセンテージによっては頂いた営業報酬がマイナスになって8月に返ってくるかもしれない訳です。
一応、お店側には返品額相当の新商品の発注を返品時に任意でお願いはしているのですが、こればっかりは空けてみないと分からないことです。

こんな心配をしておりましたら、ある日、東急ハンズ町田店から電話がありました、
町田店は前にいた会社で大変お世話になっていた店舗でして、当時の東急ハンズの店舗の中では最大の店舗面積のお店でもあります。
「坂本さん? 随分ご無沙汰じゃないー 町田店の渡辺です 元気かー、忘れたなんていわんでなー」

「あっ、渡辺さん、落ち着いたらご挨拶に伺おうと思ってました・・・、 すいません」

「気 つかわんでいいんだけどさー、忙しいんだろうけど 一度こっちに来てよ」
「なんかいろいろ聞いたよ、渋谷で保留になってるんだってね(新規取引口座の件)」
「うちで 開けるよ だからおいでよー」

「えっ・・・」

ということで 翌日 町田店に伺う約束をして、1週間もしないで東急ハンズ町田店との取引口座が何の障害もなく開設することなりました。
個人商店として初めての大型店舗との取引がこの時点で始まることになったのです。


つづく

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